学びのまち足利をめぐるのんびり旅

ポタリング

新しい自転車を手に入れたからには、そいつとどこかに行きたくなるというもの。ましてやランドナーですから、共に旅に出なくてはもったいない。

と、いうわけで3連休を使って足利・桐生の旅。レトロな雰囲気が漂う街でランドナーと相性が良さそうというのが一番の理由ですが、もっというとこの季節は基本南風。風に乗ればどこまでもいけるのです。基本ほぼ平坦なので楽チンですし。

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川越氷川神社では風鈴が飾ってあり、みているだけで涼し気な気持ちになる。

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心配だったのは天気。雨マークがついたり曇りに変わったり。どうしようかなーとうだうだ考えていましたが、いかなかったらすごく後悔しそうだったので出発することに。霧雨が普通に降っていましたが、カンカン照りの日差しよりも涼しくて快適!!と自分に言い聞かせて進みます。

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ルートを特に決めずに走り出したのですが、見沼代用水沿いのグリーンヘルシーロードという自転車道に入っていました。利根川まで繋がっているのでここを走ってみることに。

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利根川を渡りきれば栃木県突入!
ここからもひたすら県道38号線を北上すれば足利に到着です。

足利到着時点で87kmくらいでしたが、ランドナーは本当に乗り心地がいいです。よく人にANTICOでロングライドしたことを話したら、「よく小径で走るねぇ」なんて言われていて、ウチの愛車を舐めるなよ!って思っていました。が、ランドナーで走ってみて小径がいかに大変なのかに気がつきました。

クイックなハンドリングだし、路面状況がダイレクトに身体に影響を与えるし、スピードの維持が難しいし、ロングライドには向いていない乗り物なのだなーと。今更発見。

でも!そういうちょっと不器用なANTICOがすごく好きなのですけどね!美しくてかわいいし!

とにもかくにも、ANTICOでのロング経験のおかげで、ランドナーでのロングがスーパー楽。こんなに簡単に80km走れましたっけ?という感じ。

足利散策スタート

足利に到着してから、まずは観光案内所「あしなび」に立ち寄って情報収集。最近は下調べしないことの方が多く、現地の雰囲気でどこに向かうか決めます。ただ足利は初訪問なので今回は王道ルートを巡ることにしました。


まずは足利の中心地にある鑁阿寺。バンナジと読むのですが、すごくいいたくなる響きですバンナジ。バンナジ。
堀を渡る橋とその先にある楼門が珍しい佇まいで画になりますね。

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参拝の前にお腹が空きすぎているので腹ごしらえから。観光案内所で教えてもらった茶屋。鑁阿寺の境内にあります。

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せっかくなので名物料理をということで、足利シュウマイとポテト入りやきそば。ポテト入りやきそばはわかりやすいのですが、足利シュウマイとは一体なんなのか。

一見普通にも思える形ですが、中身に肉を一切使っていません。なんと片栗粉と玉ねぎのみ!といういっそ潔いほどの具材。タレも酢醤油ではなく、酸っぱ辛い専用タレがかかっています。もちもちとしていて、玉ねぎだけとは思えない旨味があり、これはイケる!これをツマミにビールが進みそうです。家で作ってみようかな〜?材料費が究極に節約だし。

お腹もみたされたので、いざ参拝。

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鑁阿寺は鎌倉時代に建立された、真言宗大日派の本山で、本堂は国宝に指定されています。元々は足利氏の館だった敷地の周りには堀が巡らせてあります。お寺で堀とは、と思ったらそういうことだったのですね。

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他に鐘楼や一切経堂などが国宝で、県・市の文化財も多数。中でも個人的に好きだったのが、こちらの多宝塔。多宝塔といえば、朱塗りで派手なイメージだったのですが、木の風合いのまま。多宝塔の形がもともと好きなので、このシックな佇まいにはよりグッときました。美しいですね。

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鑁阿寺の参道を通って足利学校へ向かいます。この参道もまた石畳で風情があります。素敵なお店も並んでいるので、散策するには最適な場所ですね。

足利学校

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足利学校は日本で一番古い学校といわれ、国の名勝に指定されており、今年4月には「日本遺産」に認定されました。

儒学を中心に、医学、兵学なども教え、歴代将軍や権力者から熱い庇護を受け、優秀な人材を排出し続けました。明治維新後に廃校となってしまいますが、地元の有志たちによって守られ、足利市の管理となり、現在まで貴重な史跡として歴史を伝えています。

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入徳門、学校門、杏壇門の三門をつなぐまっすぐのびる道の先には、「孔子廟」が建っています。儒学の祖である孔子を祀る廟。徳川家綱の創建とつたえられ、足利学校に現存する古建築です。中国の明朝時代の聖廟を模してつくられています。

孔子廟と学校門以外の建築物は、廃校後に一度撤去されていましたが、平成2年に江戸時代中期の様子を再現し、当時の様子を垣間見ることができます。

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方丈は講義や学習に使われていたたてもので、今で言う「校舎」のようなもの。
縁側からは美しく整備された庭園を見渡せます。当時も学問に疲れたら、この縁側から庭を眺めて、リフレッシュしていたのでしょうね。

織姫神社

足利学校を後にして、西へ向かいます。まちなみが穏やかで、ほどよい喧騒が心地いい足利。主要な観光スポットが固まっているので、徒歩での観光にも良さそうです。ゆったりのんびり自転車で走るのも気持ちが良いですけどね。

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この日最後に向かったのは、「織姫神社」。すでに名前がメルヘンチックな感じです。長めな階段をのぼると、朱塗りの美しい社殿が見えてきます。織物の守り神である「アメノミホコノミコト」と「アメノヤチチヒメノミコト」二柱が主宰神です。

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恋人たちの聖地と謳われていて、お守りやおみくじなども恋愛ものが多数。ちょいとチャラけた雰囲気が漂っていますが、1200年以上の伝統と歴史をもつ神社なのです。とはいえ、明治13年から昭和9年まで火災により消失したまま、仮宮であったり、信仰自体は衰退していたようで、平成になってからいわゆる「再プロデュース」のような形で、現在に至る様子。このただよう「ナウさ」の要因は平成の空気感なのでしょうか。歴史がある割には、社格も無格社ですし。

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「パワースポットめぐり」などの観光業的には、とてもよいプロデュースだなとは思います。標高もそこそこ高いので、関東平野を見下ろせますし、女子旅なんかにはベストスポットだと思います。

足利で一泊

この日は足利市内のホテルに宿泊。
フロントで自転車で来たことを告げると、「日本一周ですか?」と聞かれてしまいました。そんな大層なものではございません、風にのって北上してきただけです。と心のなかで返事をしつつ、自転車を止める場所を案内してもらいました。

ブラウン管テレビのしたにVHSビデオが並ぶ古びたホテルの一室で、程よい疲労感のなか、明日に備えて布団に入り、明日に備えました。