日本最大級!20000本が彩る黄色い里山「寄ロウバイまつり」

ポタリング, 花ごよみ


この季節に自転車でウロウロしていると、時折風にのってふわぁっとフローラルな香りが漂って来ます。その瞬間キョロキョロ辺りを見回して探してしまうのが、小さくて黄色い花をつける、ロウバイです。
ほぼ毎年の様に言ってる気がしますが、私は花の中で一番ロウバイが好きなのです。
少し透明感のある黄色の花びらとか、小さな花がぽこぽこと枝に鈴なりになってる様子とか、遠くからでも分かる特徴的な香りとか、好きなところはたくさんありますが、何よりも寒くて花が少ないこの季節に咲きはじめ、黄色いけどケバケバしくなく、慎ましやかに強い姿が好きです。

そんなわけで、毎年どこかにロウバイを観に行っていました。今年は神奈川県松田町の寄ロウバイ園に行ってみることに。一昨年前に行った宝登山のロウバイがとても良かったのであれくらいの規模感の場所を探していたのですが、ここはなんと20000本!宝登山のロウバイが3000本なので、最初は桁を間違っているのかと思ってしまいました。20000本という数は日本最大級なのだそうです。

寄ロウバイ園へ

寄ロウバイ園への最寄り駅は新松田駅。小田急小田原線とJR御殿場線の2路線通っています。
小田急線に乗るのは久々でしたが、人身事故などの影響があって混み気味。アナウンスで「警察の現場検証が〜」と言ってたので、割とガチの人身事故だったのでしょうか。。
事故の影響で電車が遅れてたので、新松田駅からバスに乗りかえる時間が1分しかなくて相当焦りました。たぶんこの日の旅で一番息切れしたなあ…

鬼ほどの上り坂をバスに揺られて30分で寄に到着です。当初、この道程を自走しようとしていた自分、なんてこと考えてんだってツッコみたい。
バス停について自転車を組み立てていると、ハイキング客のおじさんに話しかけられました。「僕もこういう自転車欲しいと思ってたんだよね」といわれ、一切謙遜せず、「や〜これすごくいいですよ〜」と答えました。だって本当にすごく良いんだもん。バスの中のアナウンスでハイキングコースの案内とかもあり気になっていたので「これからハイキングですか?ロウバイじゃなくて?」と聞いてみたところ「うん、そう。ロウバイ園は帰りにちょろっとよる程度かな」とのこと。「ロウバイ、あんまり大したことない気がするんだよね〜」という言葉に「なんてこと言うんだこのおじさんは(笑)」と思ったりもしましたが、まぁ地元の方って体外そんなスタンスですよね。


バス停からロウバイ園までは坂道を歩いて約7,8分。無料送迎バスも出ていますが、高齢者と一緒とか、足に爆弾を抱えているとかでない限りは全然余裕です。というか歩いたほうが里山の暮らしが垣間見えて楽しいですよ。

ロウバイの香り漂う丘陵

ロウバイ園への入園は大人300円です。


遠目に見ると、結構茶色くて、「やばい、あのおじさん正解なのかも…」という考えがよぎったりしましたが、入園してみるとしっかり見頃を迎えていました。散策路の両脇に植えられたロウバイからは良い香りがフワッと、どころかブワワっと漂ってきます。いや、もはや漂っているではなく、まとっているような感覚。最高です。そういえば道中、老夫婦の奥様が「ロウバイの香水ってないのかしら」と言っていました。その時私は「ありますよ!!」と声をかけようか本気で悩みました(かけなかったけど)。武蔵野ワークスという香水メーカーが出しているんです。私もロウバイの香りが恋しくなった季節に愛用しています。


丘陵地形を生かした散策路で起伏は結構ありますが、ロウバイを見ながら進むので疲労感はありません。散策路を少し外れて少し登ったところに、展望台があります。眼下にはロウバイとその奥に広がる山々とその合間を縫う中津川。雄大な自然とそこで暮らす人々の生活を感じさせる良い景色です。


園内を一周して、入口にあった売店「やどりぎかあさんの店」に入ってみました。もしかしたらこの売店から見えるロウバイが一番きれいだったかもしれない(笑)。濃い黄色が窓一面に見えて、最高のロウバイビューポジションでした。


松田町の地酒「松美酉」の酒粕を使用した甘酒をいただきました。

自転車で帰路へ


帰りはバスではなく、自転車で東海大学前駅まで走ります。その前に、バス停横の案内所で地元の方がみかんなどを販売していました。一袋200円って、どんだけ安いんだと思って買ってしまいました。みかんの重み〜〜。


行きのバスの車内から見てとても気になった「寄神社」。鳥居の前に立つ、立派な大杉がひときわ目を引きます。


基本的には下り基調で快適!と言いたいところですが、まぁちょこちょこと登りはありました。


国道246号まで降りて、渋沢方面へ走るとのどかな雰囲気に。ゆるやかに登りですが、こういう道とても好き。


ものすごい斜度の坂の上にある住宅街を越えると小田急線の線路沿いにでました。


秦野駅前のまほろば大橋。時計塔の奥には丹沢山系の山並みが見えていて雄大です。しかしながら、この時計塔の下に石の産地のレリーフとその石材があったのだけど、なんでなんだろう?


いつのまにか高いところにいました。


ゴールは「秦野天然温泉さざんか」。
温泉に浸かって旅の疲れを癒やしました。平日の真昼間だったのでお客さんは少なかったし、露天からは山並みが見えるし、最高でした。

おまけ?この旅で出会った石仏たち


寄バス停からロウバイ園へ行く道すがらにありました。これなんだろう?右2本の円柱型のは石棒っぽい?ということは道祖神的な役割を担っているのかな。バスから見えた新松田駅の前の双体道祖神といい、この辺は道祖神信仰が盛んかもしれない。


寄神社の大銀杏下に祀られた双体道祖神。樹齢700年の大木でしたが、2013年の台風で倒れてしまったそうです。


ロウバイ園から街へと降りる県道710号道中。ほぼ全部馬頭観音でした。たぶん点在していたのを集めたんでしょうね。中央のだけ判断が難しいです。右から二番目の馬頭観音がめちゃくちゃ可愛くてお気に入り。


激坂の住宅街に突如現れた石仏群。左2つはまたしても双体道祖神。赤い前掛けとみかんのお供えがかわいすぎる。