2013.5.19
今回は両国にある無料で入れる庭園です。
都立9庭園ほど敷地面積は広くありませんが、景観も特徴があり、歴史もある庭園です。
靖国通りを東へ進み、両国橋を渡ります。
靖国通りは、台地を避けるようにして通っているので平坦ですし、道も広くて走りやすいです。
東へ行くときはよく利用します。
橋を渡りきったら左折して国技館通りへ。
その名の通り両国国技館がすぐに見えてきます。
ちなみに国技館の道路を挟んで向かい側にはこんなものが。「両国さかさかさ」
雨を避けるのではなく集めて、雨水を利用し草木に水を上げるためのものらしいです。
逆三角の様な形の屋根が雨を受けて、それをパイプ通して地下に設置された貯水槽に貯めていくもの。
ポンプを押すと、上から噴水みたいなのが出て来ました。
たぶんポンプを押して貯水槽の水を汲み上げ、噴水として出し、それをまた逆さ屋根が受け止め、パイプを通して貯水槽へ。っていう循環?
夏は見てるだけで気持ちよさそうです。
さて庭園は、両国国技館のすぐ隣!迷うことはほぼ無いでしょう。
この敷地は、元禄4年に下野足利藩主本庄氏の下屋敷として作られたのが始まりと言われています。
小規模ながら徳川時代における大名庭園の典型をなす名園の一つとして数えられます。
明治に入ると旧岡山藩主であった池田章政の邸宅となり、後に安田財閥の創始者・安田善次郎の所有となりました。
大正11年に東京市へと寄贈されましたが、翌年の関東大震災により甚大な被害を受けてしまいます。
残った地割り、石組みを基にして復元工事を行い、昭和2年に一般公開された庭園です。
庭園の中央にある心字池は、かつて潮入り池として隅田川の水を直接ひきいれていました。
川の潮位に従って池の水も満ち干きしていたんですね。
現在では、ポンプで水をコントロールして人工的に水の満干を再現しているそうです。
ここがかつて隅田川の水をひきいれいてた水門跡。
この庭園でもっとも印象的なのは、この建物のような気がします。
純和風の園内から独特の形をした洋風の建物は目を惹きます。
これは両国公会堂といって、安田財閥の寄付金をもとに、関東大震災の直後、東京市政調査会によって建設されました。
現在は老朽化により使用を停止されているそうです。
この何の変哲もないただの石みたいにみえるものは「駒止石」。
寛政8年に発生した台風により隅田川が氾濫し、本所側の被害は特に甚大な大洪水に襲われました。
そのことを憂慮した家光がその状況を調べさせようとしましたが、あまりの濁流に誰もが尻込みをしてしまいます。
そんな中、旗本であった阿部豊後守忠秋が名乗りを上げ、馬を巧みに操って川を渡り、被害状況を調べて回りました。
その際馬を止めて休憩したところがこの駒止石なんだそうです。
当時この辺りに住んでいた人々が忠秋の徳を敬い、この地に駒止稲荷を祀りました。
無料ですが、他の都立庭園と同じくらい歴史があるし、綺麗な庭園でした。
隣には両国国技館や江戸東京博物館など、観光スポットがあるので合わせて訪れてみてはどうでしょうか。