2013.3.18
今回は運河!
現在でも多くの運河が通っている江東区ですが、中でも最初の1本小名木川を中心に運河を学ぼう!
運河というのは、船舶の移動のために人工的に造られた水路です。
河川や湖沼を利用しているものもあります。
1590年頃、江戸城を居城に定めた徳川家康は、塩の確保のため千葉の行徳に目をつけました。
最初は海を通って江戸に塩を運んでいましたが、海が荒れたり、船が座礁したりと安定して塩を手に入れることができない…
そこで、江戸へとまっすぐ続く運河の開削を命じました。これが小名木川の始まりだそうです。
当初は塩だけを運ぶ為の運河でしたが、その後、人やあらゆる物資を江戸へ送り届ける江戸物流の大動脈となりました。
小名木川を皮切りに、身近な物資を江戸へ運ぶための竪川をはじめ、20本をこえる大運河網が築かれていったそうです。
竪川はかつて小名木川とともに隅田川と中川を結ぶ直線航路として利用されていました。
江戸城に向かって縦(東西)に流れることからこの名称になったそうです。
現在では、首都高速に覆われる状態になっています。
途中、大横川の交点から横十間川交点を除いてほぼ全区間が暗渠となっています。
竪川の開削後すぐに隅田川に近い方から順に、一之橋から五之橋まで単純に番号を振った橋が架けられました。
この一之橋は、赤穂浪士が泉岳寺に引き上げる際に最初に渡った橋としても有名です。
「三ツ目橋」「四ツ目橋」を渡る通りは後に、「三ツ目通り」「四ツ目通り」と名付けられました。
ちなみに、二之橋は「清澄通り」五之橋は「明治通り」です。
これを覚えていると、地図がなくても迷わない!…かも!
番所というのは、警備や見張りの番人が詰める為に設置された施設です。
江戸時代の日本では重要な箇所に置かれていました。
旧中川から小名木川へ入るところにも番所が置かれていたそうです。
ここがその跡地。
小名木川は関東全域の川とつながるので、この地に番所を置けばどこからの荷物でも監視することができたんですね。
さて、その番所跡のすぐ後ろにある資料館が、中川船番所資料館です。
Twitterとかブログで「運河がアツイ…!」とか騒いでいた私に、この資料館を教えてくださったのは「ポタ山イチの江戸川ポタリングガイド」さん!(ありがとうございます!)
中川船番所資料館は、区民が郷土の歴史にしたしみ、身近に感じる手がかりとすることを目的に2003年に開館した資料館です。
入口で入館料200円を払うと、まずは3階へと案内されます。
エレベーターを降りて目の前に広がるのは、中川番所の再現ジオラマ!
近づくと喋り出します。当時もこんなやりとりがあっただろうなー。
他には、出土遺物や番所に関する資料が展示されています。
同じく3階の奥には、江戸和竿と釣り文化のゾーンが。
特定非営利活動法人東京釣具博物館から、和竿など釣具等の所蔵品5000点以上もの寄贈を受けたそうで、それがこちらに展示してあります。(な、なぜ…)
さらにその奥では、江戸・東京の水上交通と題して、江東区周辺の河川を中心に、江戸時代から近代までの関東の水上交通の歴史が取り上げられています。
このゾーンに展示してあった、「小名木川今昔物語」というパネル、個人的に気に入ってじっくり見てたんですが、
なんと!このパネルがそのままクリアファイルになって売ってたんですよ!
これは嬉しい!ということで、思わず買ってしまいました。
展望室もあります!
旧中川と小名木川が交わるところがよーく見えるというなんとも意味のある展望室です!
2Fへと降りると、郷土の歴史・文化紹介展示室になります。
江東区の歴史や民俗芸能、昔の生活の様子などがいくつかのコーナーに分けられて展示されています。
1Fには、図書室がありました。
「やばい、1日中居られる…」と思うくらい運河や河川など水関係の資料がたくさんありました。
さくさくっと紹介しましたが、とても充実していて、興味がある人は楽しめるスポットです!
資料館の前の道路を挟んだ向かい側には「旧中川・川の駅」というのがあります。
これ実際に行った時は、「川の駅ってなんだろう?…あー、トイレとかがある休憩所かぁー」程度だったんです。
しかし!なんとこの記事を書いている今日(2013.3.18)知ったんですけど(これまたポタ山イチの江戸川ポタリングガイドさんのTwitterのつぶやきで知りました!)、23区内発の川の駅だそうです。
水陸両用車両が利用するためのスロープが設けられていて、水陸両用バス「スカイダック」を運航するんですって!なにそれ超面白そう!!
今は正直ひっそりした雰囲気をまとっている中川船番所ですが、これからものすごい人気スポットになるのでは…?!
資料館からの帰り道は、ちょろっと小名木川沿いを走りますよ。
お〜、ほんとにまぁーっすぐ続く!
あの最初に架かっている橋は「番所橋」ですね。
さて遊歩道をあがり、小名木川と並走する道を隅田川方面へと走ります。
この橋は「塩の道橋」。江戸からの歴史感じるデザインで、木の風合いを出しています。
この上に架かっている橋は丸八通りの「丸八橋」。
その向かいには大島稲荷神社があります。
そして、これはクローバー橋。
小名木川と横十間川が交差しているところに架かっています。
この辺りから小名木川沿いを離脱して帰りました。
日没が近づいてたので、ショートカットしないとヤバイかも、と思いして…
次来る時は、「小名木川今昔物語」のクリアファイルを頼りに、小名木川橋巡りとかしたいです。
あと、他の運河も是非みたいですね。暗渠になってる部分も含めて!