のこぎり屋根のレトロ街と丘上の動物園 桐生さんぽ

ポタリング

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足利で一泊した翌日。前日とは打って変わっての晴天。気分は爽快の中、この日は桐生へ向けて出発しました。足利からは渡良瀬川沿いを進めば一直線。

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ところどころに「桐生→」の案内は出ていますが、川沿いCRはどこも下調べなしだとやっぱり迷ってしまいますね。いつの間にかCRから外れたりしながら、桐生をめざします。大体足利からは15kmくらい。程よい距離でしたが、この日は日差しが照りつける夏の青空が広がっていて、日陰のない道路はかなり暑い。。割りと序盤でバテてしまいました。

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暑さに耐えながら、桐生市に入りました。
桐生市のまちの一部は、「重要的建造物群保存地区」に指定されています。個人的な密やかな夢として、全国の「重伝建制覇」を掲げているので、また一つ行ったことのあるまちが増えるのはとても嬉しい。

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重伝建というのは、その名のとおり、歴史的に価値のある建造物群の保存地区のこと。伝統的な建造物は数あれど、まち丸ごとが重要な建造物群ともなると、さまざまな条件が揃わなければならないので残っていること自体がとてもめずらしいのです。
まるでタイムトリップしたかのようなまちなみが広がるので、旅気分が高まります。

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桐生市は、「西の西陣、東の桐生」と呼ばれるほど絹織物のまちとして栄えました。その当時に使われた織物関係の蔵や町家が多く残っています。その中の代表的な建物が「有鄰館」。重伝建の南側の入口に位置しています。かつては、酒・味噌・醤油を醸造・保管するために使用されていました。現在では演劇やコンサートなどの様々な用途にも使われ、文化発信の場として活用されています。

のこぎり屋根

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桐生市のまちなみの中で、特に特徴的なのが「のこぎり屋根」。元々は英国で織物工場の屋根構造として発案されたもので、1日を通して均一の明かりを取り入れることができるので、織物の色合いを見るのにとても適している構造です。そうした理由から、桐生市にはのこぎり屋根の工場が今も点在して残っています。

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独特なギザギザな形と石造りの壁に立てかけられた我が愛車。絵になりすぎてやばいですね!!かっこいいよエンペラー!

桐生が岡遊園地

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重伝建の他に目的がもう一つ。小高い丘の上にある「桐生が岡遊園地」です。結構きつい坂をえっちらおっちら上ってきたので、汗だくでの到着。
この遊園地、すごいのは入園無料というところ。無料なのに敷地も広くて、乗り物も豊富。潰れてしまわないかハラハラしてしまいます…。そんな心配とは裏腹に家族連れで大賑わい。近隣住民にはとても人気のスポットのようです。

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大きすぎず、小さすぎず、奇をてらっていない王道なアトラクション達。ほどよくレトロで、はじめてきたのに懐かしい。そんな空気が漂う遊園地です。ここは「個人的重伝建」に認定したいです。これから数十年後に貴重な文化財としても残っていくとよいなと思います。

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離れてみると、「山に浮かぶテーマパーク」といった様相で、物語が生まれそう。

桐生が岡動物園

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遊園地に隣接する形で、動物園もあります。こちらも無料!家族連れには本当に嬉しいスポットですね。羨ましいです。

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遊園地側から動物園へ入ると、最初に登場するのがペンギンさん!一番好きなペンギンがいきなり見られるとは、最初からクライマックスですね。それにしてもペンギンは、動物園でも水族館でも見られるオールマイティ動物だなぁ。嬉しいけど。

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全体的にどことな〜く哀愁漂う空気感がたまらなく好きでした。特別な場所というよりも、近所の公園の中の一つ、といった感覚なのでしょうか。ふらっと立ち寄って楽しんでいくという、立ち飲み居酒屋のような感じとでもいいましょうか…?こんな素敵な場所が近くにあれば、予定のない休日にぶらりと散歩したくなりそうです。

はじめてのランドナー輪行

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さて。はじめてのランドナーとのロングライドの締めくくりは、はじめての輪行です!自転車との遠出は輪行までがロングライドの一部です。家で何度か練習してきた成果は果たして。。。

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ランドナーは特殊なヘッドが特徴の一つ。フレームから簡単にフロントフォークを外すことができます。さらに、我が愛車丸石自転車のエンペラーは、アーレンキーだけで作業が完了してしまうのでとても便利。

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こんな感じで、知らない人が見ると大破してしまったのか?と思ってしまうような姿に。本来はさらに後ろのホイールを外し、分割式になっている泥除けも分割すればかなり小さくなってくれます。今回はフロントフォークだけを外す「長谷川式輪行」で終了。

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輪行袋はタイオガのコクーンを使用しています。うまくパッキング出来れば入ります。ハンドルの位置やクランクの向きを間違えると、ギッチギチになってしまいます。

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両毛線にランドナーとともに乗っていたら、なんだか明るいご婦人が乗ってきて「それは自転車?」と聞かれました。そうですよ、と答えたところから、ご婦人が下りる駅までずっとお話していました。どんな内容だったかはあまり覚えていないのですが、趣味がないと明るく生きられないわよね!だとか、主人が死んでからどん底だったけど今は人生を楽しんでる、だとか聞いているこちらも明るくなる表情と声で話しているのが印象的でした。

ランドナーに乗るようになってから、知らない人に話しかけられることが多くなりました。それはランドナーという乗り物に比較的若めな女が乗っているという珍しさもあるでしょうけど、このご婦人はとくに自転車が好きというわけでもなく話しかけられたということは、私自身にも少しは心の余裕が生まれたからなのかな、なんて自負してみます。

ランドナーを選んでよかったな、と改めて思いながら、充足感に満ちて電車に揺られ旅を締めくくりました。