日本人にも愛された冬の貴婦人 昭和記念公園「クリスマスローズ展」

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「立春なんて言うけど、まだまだ寒いよね〜」。おなじみの会話が、まちの至る所でささやかれる季節。たしかに今年は特に過去最大規模の寒波が到来し、日中に日が当たらない場所ではまだまだ雪が残っているところもあります。体感的には冬真っ只中ですが、「立春」とはよく言ったもので、自然界では春がはじまる季節です。

私は極寒の中慎ましやかな花を咲かせる梅の花が大好きです。まちを歩いていて、どこからか梅の香りが漂ってくると、「春が来るのだなぁ〜」とほっこりします。自転車に乗って外に出歩くようになってからはじめて、梅以外にもこの寒い季節に花をほころばせ、見頃を迎える植物があるということに気が付きました。そんな冬の植物の一つに「クリスマスローズ」があります。


「クリスマスローズ」という名前ですが、日本では2月頃見頃を迎えます。しかもバラ科ではなく、キンポウゲ科らしいです。名前の全てが誤解を招く花ですね。でも、これには理由があって、クリスマスローズは正式には「ヘレボルス」という名前で、その中の「ニゲル」という品種がクリスマスの頃咲くのだそうです。しかし、日本で多く市場に出回っているのは「レンテンローズ」という品種。何故か日本では品種が違うにも関わらずヘレボルス属全てを「クリスマスローズ」と呼んでいます。

本当は怖い?クリスマスローズ

「ヘレボルス」は、ギリシャ語で「Helenin(殺す)」「bora(食べ物)」の2つの意味からその名がつけられました。「食べたら死ぬ」という意味で、その名の通り根や茎には毒性があります。かつての戦争では、この根を粉状にして敵陣に巻いて攻撃したりなどに使用されていたようです。さらに精神病患者に飲ませたり、と中世ヨーロッパのほの暗い背景によく使用されていたのです。

日本で「クリスマスローズ」と呼ばれるのは、華やかで可愛らしい名前にすることで、「縁起」を気にする日本人に合わせているのでしょうか。他に「冬の貴婦人」「初雪おこし」「寒芍薬」などの和名があるのですが、「冬の貴婦人」の響きと元々の名前の由来のことを考えると、冷たくも美しく高貴なご婦人を思い起こします。

もともとは、薬草として日本に入ってきたものでしたが、花の少ない季節に茶席を彩ってくれる貴重な花ということと、うつむき加減に花を咲かせるその奥ゆかしい姿によって日本文化に愛されて観賞用としても広まりました。

梅を含め、この季節の花が日本で愛されるのは、寒い季節を乗り越えて、色のなかった世界に慎ましやかで愛らしい花が彩りを添え、これから訪れる暖かい季節を思い起こさせてくれるからかもしれないですね。

昭和記念公園で開催中「クリスマスローズ展」


国営昭和記念公園の花みどり文化センターで、「クリスマスローズ展」が開催されています。
昨年に引続き、2回目。実物のクリスマスローズの展示はもちろん、品種についての詳しい説明や歴史などの解説がパネル展示されています。



花みどり文化センターは、無料ゾーンにあります。現代的な建物の前には広大な芝生が広がります。ここで「まんぱく」や「楽市」などの大きなイベントが開催されています。


駐輪場もばっちり管理。もちろん無料です。


ちなみに建物の上は、「浮遊庭園」として開放されています。




中に入ると、左に事務所、右手にはカフェがあり、その奥に、展示スペースがあります。




生のお花だけではなく、ハーバリウムボトルやプリザーブドフラワーなども飾ってあり、会期中の土日にはワークショップも開催されています。


さらに奥には、苗や鉢の販売も。

12日(月)まで開催しているので、クリスマスローズの不思議な魅力を感じに行ってみてはいかがでしょうか。

これから次々とさまざまな花が開花していくことを考えると、浮足立つような気分。暦の上でも、気持ちの上でも、もう春ははじまっています!