2012.11.26
今回は、江戸の上水に関することや、東京の水道にまつわる学習ができる施設、東京都水道歴史館へ行ってきました。
意外と知られていない穴場スポットだけど、上水に興味ある人は1日居たって飽きません!
東京都水道歴史館は、元々西新宿にあった東京都水道記念館を閉館して、本郷給水所に隣接して1995年に新設されました。
東京水道400年の歴史が江戸時代と明治時代以降に分けて展示されています。
今までの記事によりもう周知の事実かもしれませんが、今個人的に川関係が熱くてですね、河川とか上水、運河なんかに興味が湧いているんです。
神田明神に行こうと思って、地図で周辺を色々と見ていたらこの水道歴史館を発見しまして、「なんてタイムリーなんだ!」ということで目的地変更。
この水道歴史館は、御茶ノ水と水道橋の中間辺りに位置し、神田川もすぐそばにあり、水道の歴史にゆかりがある場所。
入口を入ると、東京都水道局のPRキャラクター「水滴くん」が出迎えてくれます。
それにしても、この「水滴くん」っていうネーミング、ド直球すぎてもう逆に好感がもてますね(笑)
水滴くんが示してくれている通り、まずは2階へ。
2階では、江戸上水の歴史と技術をたくさんの展示で学ぶことができます。
江戸の都市開発に伴い、水の需要が増加。しかし、江戸は元々大部分が湿地帯で、更に開発によって埋立地が多くなったため、井戸を掘っても海水が混じり、良水を得るのが困難だったそうです。
そこで、上水道に着手した、という訳なんですね。
小石川上水(後の神田上水)から着手をはじめ、玉川上水、本所上水、青山上水、三田上水、千川上水、の6つの上水道が作られました。
この6つが「江戸の六上水」と呼ばれています。
千川上水や玉川上水、神田上水はよく上水沿いに走るので、なんだか馴染み深いですね〜。
こちらは発掘された木製の上水井戸です。
普通の井戸のように湧水を取るのではなく、水道で流れてきた水を溜めて取るための井戸です。
上水井戸と長屋が実物大で再現されています。
江戸の暮らしと、水の関係がプチ体験できますね。
すごくちゃんと作られているんですけど、これホントに無料でいいんですか!って思っちゃいます。
庄右衛門・清右衛門兄弟がどういう苦労をして、やっとの思いで玉川上水を開削したかをアニメと人形が分かりやすく教えてくれます。
羽村取水堰へは近いうちに行ってみようと思います。
1階に降りると、近代の上水の歴史ということで、明治以降の水道事情を学ぶことが出来ます。
当時の消火栓や水圧計。
くーっ!かっこいいデザインですよねぇ。
色んな形の蛇口。
時代とともに使いやすい形、扱いやすい素材を使ってデザインも変わっていくんですね。
さてさて、水道歴史館、これで終わりではありません。
外に出てみても特に何も無さそうな雰囲気が漂っているので下調べなしでは帰ってしまいがちなんですが、じつは公園があります。
本郷給水所の上部に作られているので、回りの道路からは姿形も見えませんが、階段やスロープを使って登ってみるとそこにはこんなにキレイな公園が広がっています!
日本庭園とフランス指揮庭園を採用していて、そこはさながら旧古河庭園!
この石碑は、昭和62年から平成元年にかけて発掘された神田上水幹線水路の一部を移築復元したものだそうです。
丁度、上水に興味津々だったからというのもありますが、知りたい情報が詰まっていてワクワクしっぱなしでした。
荒川知水資料館もそうでしたが、こういった水関係の資料施設は、ちゃんと作られているし、資料も豊富だし、その上人がほとんど居ない、という超穴場観光スポットなのではないでしょうか?!
「上水に興味なんかない!資料館なんて入るだけで頭が痛くなる!」という体質の方でも、本郷給水所公苑はきっと気に入るスポットだと思います。
通りすがっただけではまさか公園があるなんて露程にも思えないので、人が殆どいなくて静かに過ごせる場所ですよ!