「古事記で巡る」松江・出雲旅 前編

ポタリング

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ここ最近、神道にハマっています。
信仰しているというよりは、知識欲をくすぐられるという意味で”ハマっている”というニュアンスなんです。

神道にハマり始めたのも、古事記を読んでからなのですが、これがもう面白いこと!
日本の神様達の暴虐無人ぶり、情緒不安定ぶりの自由さ加減に愛着すら湧いてきます。

こんな書き方したら祟られそうですが、事実なので仕方ない。

読めば読むほど惹き込まれ、知れば知るほど神社に行くのが楽しくなる古事記。
やはり聖地巡礼旅がしたくなります。

と言うわけで、神が降り立つ地、出雲へ行ってきました!

島根へ

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今回は夏の帰省中に実家である山口県から島根へ18切符を使っての電車旅。と、BRO号も連れて行っているので現地では自転車旅!
地方の電車はほんとにのんびりしててこれだけで癒されますよね。

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しかも!なんと祖母が朝ごはんにとお弁当を持たせてくれていたのです!
家族ってあったけー!私ってば幸せ者ー!

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島根へは、山陰線なのですが、もう景色がね。ぐうの音も出ない美しさですよ。これぞ車窓の旅。
実家と大阪・東京の行き来は山陽線側になるので、こちら側の景色は新鮮。日本海っていいなぁ〜。

揖屋神社

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さて山口から約5時間のローカル線の旅を終え、辿り着いたのは揖屋駅。
出雲旅と銘打ってますが、1日目は松江市なのです。

まぁ大きな意味で出雲国と捉えてください。
っていうか、ここどこやねん!って感じでしょうが、古事記巡りには欠かせない場所なのです。

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まず訪れたのは「揖屋神社」
こちらに祀られているのはイザナミノミコト。日本の国土を産んだ母たる神様です。

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揖屋神社は古より朝廷や名だたる武将の崇敬があつく、平安朝の以前から広く知られた歴史ある神社なのです。

さすが出雲の神社。見事な大社造の社殿でした。
最初から圧倒される存在感の神社に出会い、幸先の良いスタートです。

黄泉比良坂

揖屋神社から南東方向へ少し走ると、古事記のエピソードと縁の深いスポット「黄泉比良坂」があります。

イザナミの夫であるイザナギは、死んでしまった妻イザナミに会いたいあまり黄泉の国へ向かいます。見てはいけないと言われていた約束を破り、中を覗いてみたところイザナミは変わり果てた姿となっていました。恐れ慄いたイザナギは逃げ帰ろうとしますが、怒り狂ったイザナミが後を追ってきます。(ざっくばらんに説明してます)

その時、追って来る邪気を追い払った坂が黄泉比良坂なのです。

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「黄泉の国の入口↑」って、よく考えたら怖い(笑)

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あの世とこの世の境へいざ。

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ここで日本初の離婚が成立した訳ですな…

出雲はポタリングにも最高です!

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さすが神々が降り立ち集う場所とでも言いましょうか、ものすごく気持ちの良い風景が広がっています。
のんびりした空気感と道を楽しみながら自転車で走るのは最高です。

少し走っただけで神社を至る所で発見できます。
今回は予定つめつめ旅だったので、次回は出雲にて優雅な迷子になりたいと思います。

神魂神社

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揖屋から西へ約7㎞。のんびり走ってやってきたのは「神魂神社」。「かもすじんじゃ」と読みます。
主祭神は、こちらもイザナミノミコト。

社伝によれば、アメノホヒノミコトがこの地に降り立って創建したものと伝えられています。

アメノホヒは、アマテラスの子供で、葦原の中つ国(地上世界)平定のため大国主のもとに遣わされますが、三年間何の報告もせず大国主のもとで暮らしていたという、スネ夫感溢るる神様です。(ざっくばらん古事記)

このアメノホヒの子孫達が、出雲国造の祖神となったとされています。

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この辺りの土地は、古代出雲文化の中心地とされていたそうです。
ここへ来る道すがらにも、出雲国分寺跡がありました。

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神魂神社の社殿は、現存する大社造の社殿のうち最も古いとされ、国宝となっています。

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この社殿、ほんとに歴史を感じさせられ、なんとも言えない感動に包まれます。

今まで見てきた社殿の中で一番心惹かれるものでした。
ここは本当におすすめです。静かで神聖で、でもほっこり癒される場所です。

八重垣神社

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神魂神社の程近くに鎮座する八重垣神社は、縁結びや夫婦和合の神として大変人気のあるスポットです。
主祭神はスサノオノミコトとクシナダヒメノミコト。

古事記のエピソードの中でも、かなり有名なヤマタノオロチ伝説。

古事記に登場する神々の中でも、ぶっ飛び具合が群を抜いていて存在感を放ちまくる素戔嗚が、生贄になりそうな国つ神の娘、奇稲田姫を八俣の大蛇から救うというヒーローエピソード。

ヤマタノオロチ退治に成功したあと、奇稲田姫と素戔嗚はめでたく夫婦となります。
奇稲田姫の両親から了承を得て結ばれた二人は、大神として始めて正式結婚をしたとして、縁結びの神として人気なのです。

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本殿の奥には森が広がり、その中に大蛇から避難していた奇稲田姫が飲み水として利用していたと云われる「鏡の池」があります。
和紙に硬貨を乗せて池に浮かべ、和紙の沈む速さで良縁の訪れが早いか遅いかが分かるという、女子ホイホイな占いが人気です。

松江城

八重垣神社から北へ向かうと、現代の松江市中心地。
ここからは古事記と関係ないですが、せっかく来たので国宝に決定して賑わいを見せる松江城へ行ってみることに。

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城下町松江のシンボル松江城。
千鳥が羽を広げたように見えることから、別名「千鳥城」とも呼ばれています。

山陰地方で唯一現存する天守閣は黒塗りの下見板で覆われていて、その凛々しくも美しい姿は城好きでなくとも魅了されます。

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松江城下の風情が残る街並みは、散策にぴったりな場所です。松江城を中心として、河川や堀が縦横に走る水都松江。

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城を取り囲む堀川を巡る遊覧船も走っています。
船上から松江の街並みを眺めるのも風情があって良さそうですね〜。

なんと冬にはコタツ船も運航するそうで、コタツと掘割と城下町という最高の組み合わせを楽しめそう!

1日目終了

松江駅からホテルのある出雲市駅まで宍道湖を眺めながらの電車移動です。

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出雲市駅到着ー。

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ホームには大人気寝台列車サンライズ出雲が停まっていました。いつか乗りたい!

二日目は次回に続く!