2015.12.16
冬の18きっぷ旅第一弾。
今回の18きっぷのほとんどを長野県に費やそうかと思っているくらいお気に入りの場所になった長野県。
どこに行こうかなーと調べている時に発見した奈良井宿。初めて知ったのですが、なんとも古く美しい街並みが残っていて心惹かれました。
重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に指定されている場所を制覇するのが将来的野望の一つなので、今回は奈良井宿を攻めましょう。
立川駅を始発電車で出発します。最寄駅がJRって、18きっぷ的には便利ですな。
今回は迷いましたが、BRO号も連れて行くことにしました。
塩尻で乗り換えたら、ワンマン運転の車両に。
降りる際は一番前の車両のドアから出て車掌さんにきっぷを見せるんだけど、贄川駅でゾロゾロと人が出て行く様は不思議な光景。
車窓を眺めながら電車に揺られていると、窓に水滴が…!
雨の予報ではなかったはずなのにまさか雨?あららー
奈良井に近づくにつれ雨脚が強まり、到着した頃には結構降っていました。
駅の方に自転車が預けられるところありますか?と尋ねたら1日300円で駅で預かってもらえるとのこと。
そんな訳で愛車は駅でまさかのお留守番。
駅の方、とても親切で、傘も貸してくださいました。
元々「奈良井宿に行く」という予定だけしか立ててなかったので、ゆるーい旅程。
天候もまた巡り合わせ。雨の宿場町を楽しむことにします。
駅の反対側にある、総檜造りの太鼓橋。橋脚を持たない橋としては日本有数の大きさだそうです。
奈良井宿は、旧中山道の宿場町で約1kmに渡って街並みを形成しており日本最長なのだそうです。
中山道木曽路十一宿の内、北から2番目に位置し、難所と言われた鳥居峠を控えた宿場町で旅人たちで栄えました。
その様は「奈良井千軒」と言われ、木曽路一の賑わいを誇っていたそうです。
お店も沢山ありますが、普通の住居もたくさんあり、町の皆さんの頑張りでこの美しい街並みが保たれているのが伝わってきます。
宿場の端に鎮座する鎮神社。奈良井宿の鎮守。
もともと鳥居峠に建立されていたものが戦火で焼失し、奈良井義高によって現在の場所に移されたと言われているそう。
雨の雰囲気も相まって、かなり神聖な雰囲気でとても良い神社でした。
塗櫛問屋として栄えた中村屋の建物。奈良井宿上町に位置し、重伝建郡の中の代表的な民家として一般公開されています。
この中村邸の保存をきっかけに、奈良井宿全体の歴史的価値が再確認され、保存がなされるようになったそうです。
小さいくぐり戸を、名前通りくぐり中に入ります。
こちらは有料の施設なので300円払いますが、ここ、見ておいたほうがいいですよ!
係りの方が詳しく説明してくれるので分かりやすいですし、奈良井宿の建築物の特徴を捉えることができます。
中の写真は、個人用のみということで、ネット上での公開はひかえてほしいそうです。そういう意味でも是非自分の目で見てくることをおすすめします!
中山道の当時の姿が伺える杉の巨木が十数本並ぶ古道を歩くことができます。
奈良井宿周辺にあった観音像や地蔵像が合わせて祀られています。
地蔵という名前ですが、そのほとんどが観音像のようです。
これだけ並ぶと壮観ですね。
電車まで時間が少しあったので、木曽の大橋側にあるカフェ深山に入ることにしました。
ここの看板メニュー「100年前のライスカレー」
明治36年発行の「家庭之友」という雑誌に載っていたレシピを再現したものだそうです。
最近流行のスパイシーなカレーではなく、マイルドなカレーで、コクがあり高級感のある味。
仕込みに5日間かかるそうですよ!
お店に立ち寄る度、お店の方が気さくに優しく話しかけてくれます。
人に優しくしないといけない条例でもあるのか、というくらい優しいのです。
お一人お一人が、町を愛しつつ誇りを持って暮らしているのだなぁというのが、話を通じて伝わってきました。
こちらの松坂屋さん。
桜の塩漬け湯とコーヒー、お菓子、漬物などを出していただいた上、なんと帰りには信州のリンゴを2つもくれるという優しさぶり。
なんだか実家の祖母を思い出す、素敵なお母さんとついつい話し込んでしまいました。
人に優しくするというのは、まず自分が幸せでないと出来ないことです。穏やかに暮らし、人との繋がりを大事にしているこの町だからこそ出来ることなんでしょうね。
殺伐とした人間関係に疲れたら是非奈良井宿へ!